白色申告との比較をメインに、確定申告がわからなくて怖くて仕方ない人の不安を取り除きます。
税理士資格のない、あくまで1個人のフリーランスイラストレーターの書いている記事になります。
疑問点や実行する際には必ずご自身で調べるようお願いします。
青色申告には難しい方と簡単な方がある
難しい方 | 複式簿記 |
簡単な方 | 簡易簿記、現金主義の2種類 |
こんな感じでざっくり覚えましょう。
現金主義とは
実際に現金の出入りがあった時点で処理すること。
例えば、12月に納品して支払いが翌年1月だった場合、翌年の売り上げになり、12月中の売り上げとして計上しません。
(発生主義の場合には納品した日に「売掛金」としての処理が必要です)
必要な書類
白色申告 | 青色申告(かんたん) | 青色申告(むずかしい) |
確定申告書B | 確定申告書B | 確定申告書B |
各種控除の書類 | 各種控除の書類 | 各種控除の書類 |
源泉徴収票 | 源泉徴収票 | 源泉徴収票 |
収支内訳書 | 損益計算書 | 損益計算書 |
貸借対照表 |
「収支内訳書」と「損益計算書」はほぼほぼ同じ内容になります。
(1年間でどれだけ売り上げがあって、どれだけ経費が出たのかを計算したもの)
青色申告のむずかしい方で提出する「貸借対照表」は、会社や事業全体の財務状態を表す書類になります。
要するに、難しいか簡単かの違いは貸借対照表があるかどうかだけになるんですよ。
貸借対照表さえなければ、白色申告と青色申告のかんたんな方はほぼ一緒です。
白色と青色の比較一覧
青色申告 | 白色申告 | |
事前申請 | 必要 | なし |
特別控除 | 65万:55万:10万 | なし |
一括経費 | 30万まで | 10万まで |
赤字繰り越し | 3年繰り越せる | なし ※1 |
専従者給与 | 事前の届け出で全額経費 | 配偶者86万円:親族50万円まで控除 |
難易度 | 複式簿記の方はやばい | かんたん |
家事按分 | できる | ほぼ出来ない ※2 |
帳簿保存義務 | あり | あり |
※1:災害による赤字は3年繰り越せる
※2:仕事で50%以上使っている場合は可能
以前の白色申告
以前は白色申告には帳簿提出の義務がなく、処理が簡単だったのでメリットがありました。
ですが、平成26年(2014年)1月以降は白色申告でも記帳と帳簿等の保存が義務付けられましたので、現在白色申告のメリットはほぼありません(むしろ損)
青色申告の控除額
2021年の確定申告より控除額が変わります。
今まで:基礎控除38万+青色申告特別控除65万
2021年以降:基礎控除48万+青色申告特別控除55万
さらに
e-Taxによる電子申請をするか電子帳簿保存をすることで+10万円の控除を受けられるようになります。
青色申告特別控除額 | |
10万 | 簡易簿記、現金主義 |
55万 | 複式簿記 |
65万 | 複式簿記 + e-Tax申請、電子帳簿保存 |
e-Tax申請に挑戦するなら
マイナンバーカードが必須になります。
ついでにマイナポイントももらってしまいましょう💪
税務署への届け出とは
税務署に「所得税の青色申告承認申請書」というものを提出すると青色申告を出来るようになります。
要するに「難しい方に挑む権利を与える」ってことだけなんで、絶対に難しい方で申告しなくちゃいけない義務はないのです。
「今年はそんなに稼いでないから控除いらないし簡単な方にしよー」って選べます。
ただし、2年間確定申告をしてないと青色申告をする権利はなくなります。
簡単な方で大丈夫なので確定申告だけは続けましょう。
ちなみに今このブログを読んで(2020年10月)「来年から青色申告にしたいから申請書出さなきゃ!」ってなっても間に合いません。2022年から適用になります。
こちらの記事も目を通してみてくださいね。
イラストレーターの大きめの経費
個人で仕事をしている在宅イラストレーターの経費で10万円を超える高いものとなると
・液晶タブレット
・iPad
・パソコン本体
・めっちゃ良い椅子
この辺だと思うのですが、大体のものなら青色申告で一括経費にできます。(30万円まで)
機材などは10万円を超えてしまう場合が多いので白色申告だと処理が面倒くさいです。
白色申告でも一応経費にできる
白色申告でも10万円以上~20万未満までは「一括償却資産」とすることが可能です。
法定耐用年数に関係なく、3年間かけて経費にしていく方法が取れます。
(買った年に全額経費に出来るわけではないのでご注意ください)
青色申告って税理士にお願いしないといけないんじゃ?
会計ソフトを使えば素人でもなんとかなります(ある程度の勉強は必須)
ソフトの種類 | ポイント |
やよい | デスクトップタイプの場合は更新が有料 |
マネーフォワード | ある程度簿記の知識が必要 |
freee | 簿記の知識が一切なければ使いやすい(らしい) |
私の場合、税理士さんにお願いするにしても
状態を回避するために自分で勉強してたら「あ、自分でなんとか出来そう」ってなりました。
市の無料税理士相談などを活用させてもらってます。
売上が増えて仕事が忙しくなることがあれば税理士さんにお願いするつもりです。
イラストレーターの複式簿記
イラストレーターは外注請負仕事が多く、自分自身で物を作って売ってるというわけではないので資産に入るものがかなり少ないです。
商品の発注に対する買掛金なども発生しないですし、キャッシュフローが単調なので貸借対照表に書くものがあまりないです。
アシスタントさんを雇っている漫画家さんなんかは処理が難しくなりますが、イラストレーターは1人で完結することが多いので……。
(同人誌やグッズを自分で作る場合には資産として計上することになりますので処理が複雑になります)
・・・ですので、私個人の体感ですと外注イラストレーターの複式簿記は難易度低めだと思います。
白色申告で問題ないひと
強いてあげるのであれば
・赤字事業者(赤字繰り越しとかどうでもいい!って場合)
・そもそも稼いでないから控除いらないし経費も大して使わない人
・複式簿記わからんから絶対やりたくないマン
ぐらいかなあ…と。
正直これぐらいしか思い浮かばないので知ってる人いれば教えてください……(´・ω・`)
まとめ
青色申告の簡易簿記(かんたんな方)と白色申告は必要な書類がほぼ同じなのにお得さが全然違うので、せっかくなら青色申告に挑戦してみましょう💪