フリーランスになったら真っ先に導入をオススメするのが「小規模企業共済」になります。
色々な美味しいところだけ詰め込んだようなフリーランスだけに用意された制度になります。
・税金を安く抑えたい人
・フリーランスになって不安しかない人
・小規模企業共済について一通り知りたい人
小規模企業共済とは?
会社員と違い退職金の無い個人事業主が自分で用意する退職金制度みたいなもの。
国の機関である中小機構が運営してます。
国の制度なので税制上お得になる部分が非常に多いです💪
加入できる人
小規模企業共済「加入資格」より引用:2020/7/25)
小規模企業共済制度には、次のいずれかに該当する場合にご加入いただけます。
1.建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社等の役員
2.商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社等の役員
3.事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員、常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員
4.常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員
5.常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員
6.上記「1」と「2」に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで)
掛金
月額最低1,000円~最大70,000円まで500円単位で掛金を決めることが出来ます。
掛金の変更は自由。
基本は月額払いですが、年払いに変更するなども可能です。
小規模企業共済のメリット、デメリット
■メリット
・月額最大7万円まで掛金を自分の好きに設定出来る
・掛金は全額所得控除される
・約15~20年間かけ続ければ元本割れしない
・受け取り時の税制優遇が大きい
・一括、分割、併用など受け取り方の方法が自由
・契約者貸付制度を利用できる(困ったときにお金が借りれる)
■デメリット
・任意解約すると元本割れする
・1年未満での解約は掛け捨てとなり1円も戻ってこない
・掛金の減額が不自由(減額分はその後運用されない)
・インフレに弱い(年利約1%の為、日本がそれ以上のインフレをしたら損することも)
■注意点
掛金増額に対するデメリットは特にありませんが【減額】するときには注意!
減額分はその後運用されません。
受け取れるお金の種類
(小規模企業共済「共済金(解約手当金)について」より引用:2020/6/18)
共済金等の種類 請求事由 共済金A
- 個人事業を廃業した場合(※1)(※2)
- 共済契約者の方が亡くなられた場合
共済金B
- 老齢給付(65歳以上で180か月以上掛金を払い込んだ方)
準共済金
- 個人事業を法人成りした結果、加入資格がなくなったため、解約をした場合(※3)
解約手当金
- 任意解約
- 機構解約(掛金を12か月以上滞納した場合)
- 個人事業を法人成りした結果、加入資格はなくならなかったが、解約をした場合(※3)
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※1 複数の事業を営んでいる場合は、すべての事業を廃止したことが条件です。
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※2 平成28年3月以前に、配偶者または子へ事業の全部を譲渡したときは、「準共済金」です。
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※3 平成22年12月以前に加入した個人事業主が、金銭出資により法人成りをしたときは、「共済金A」となります。
※ここで説明するのは「個人事業主」のみであり、法人の場合には内容が変わります。
その1:共済金A
廃業、契約者本人が死亡時に払われるお金。
36ヵ月以上払えば掛金以上払い戻されます。
その2:共済金B
65歳以上になったときに受け取れるお金。
廃業している必要はありません。
自営業の退職金のようなものになります。
15年以上納付をしていると共済金Bを選択して受け取ることが出来るようになります。
「個人事業主になったらまず小規模企業共済に入った方がいい」と言っているのは、この「15年以上」を満たす為です。
★戻ってくるお金
開始~6ヵ月まで | 掛け捨て |
7ヵ月~36ヵ月 | 掛金と同額 |
37ヵ月以上 | 掛金以上 |
その3:準共済金
個人事業主から法人成りをして役員になった場合に受け取れるお金。
いずれ起業して自分がまとめていく立場になったらのことなので、ここでは割愛します。
その4:解約手当金
・任意解約
・12ヵ月以上支払いを滞納して強制解約になった
場合に受け取れるお金。
自己都合でいつでも解約できます。
廃業する必要はありませんのでそのまま事業は継続出来ますが、デメリットが大きいです。
共済金は「退職所得扱い」になりますが、解約手当金は「一時所得扱い」になる為、税制優遇がほぼありません。
そのまま収入としてプラスされる形になります。
★戻ってくるお金
開始~20年まで | 掛金の8割が戻ってくる |
20年以上 | 掛金と同等 |
20年7ヵ月以上 | 掛金以上 |
※「約20年掛け続ければ元本割れしない」は、この解約手当金の場合のことです。
一時所得で受け取ってしまうと、課税所得が増えて逆に自分の税金が高くなってしまう場合がありますのであまりオススメは出来ません。
加入方法
その1:必要書類を用意する
確定申告書の控え、もしくは開業届
・契約申込書
・預金口座振替申出書
小規模企業共済公式の資料請求ページから必要書類をDL印刷しましょう。
その2:窓口へ提出
中小機構が業務委託契約を結んでいる団体または金融機関の窓口で行います。
郵送では受け付けてません。
その3:書類を受け取って完了
申込から約40日後に中小機構から『小規模企業共済手帳』と『小規模企業共済制度加入者のしおり及び約款』が届きます。
その後特にやることはありません。勝手に運用し続けてくれます。
加入後に就職した場合はどうなる?
個人事業主として小規模企業共済に加入したあと、状況の変化で就職するという事態もあるかもしれません。
(例:ゲーム会社にグラフィッカーとして就職 など)
個人事業主の為の制度だから、給与所得者になったら解約になるのでは…?と思われるかもしれませんが
この場合「継続可能」です。
ただし条件として
・廃業届を出さない
・確定申告は継続する ことが必要です。
あくまで特例としてですし、公式に明文化もされておりません(私は電話で問い合わせしました)
元々就職するつもりだけど、お得だしフリーの今のうちに加入しておこう。みたいなのは人としてどうかと思います。
これも2020年時点での情報になりますので今後は認められない等もありえます。
就職をお考えの方はご自身で問い合わせをお願いします。
掛金はいくらにすればいいのか?
増額に対しては特にデメリットがないですが、減額時には注意が必要です。
また、1年以上支払いを滞納してしまうと解約になってしまいますので、自分に無理のない金額を設定しましょう。
確定申告する場合には
確定申告や年末調整の時期までに『小規模企業共済掛金払込証明書』という書類(ハガキ形式)が届きます。
そこに記載されている金額が丸々「小規模企業共済等掛金控除」として課税所得から控除されます。
(ちなみにiDeCoも全く同じ「小規模企業共済等掛金控除」となりますので、両方やっている場合は合算した金額を記入します)
★いつ書類が届くのか
加入時期によって書類の発送時期は変わります。
★詳しくはこちら
まとめ
・「廃業した」「退職金としてもらう」「自分都合で解約する」に分かれる
・オススメなのは「退職金としてもらう」こと
・掛けた金額よりも継続年数の方が大事
・小規模企業共済は、節税しつつお金を貯められるすごい制度
それではまた💪